【福井・三国】 バリエーション豊かな海岸地形 -2019.06 また北陸へ行ってきました 1日目⑥
こんにちは、たのおかです!
2019年6月、また北陸に旅行してきました。
越前海岸を進みます。
今回はバリエーション豊かな海岸地形を楽しむことができました。
それではどうぞご覧ください。
次の目的地は越前松島、道中をご紹介
さらに歩いて越前松島を目指します。東尋坊、雄島、越前松島と北上するにつれだんだん観光客が少なくなってくる印象です。個人的には東尋坊よりは雄島、越前松島のほうが見ごたえ・感動を得られた印象で、穴場スポットと言っても良いと思います。
前方にトンネルが見えますが…。
そのトンネルの内部にこんな場所がありました。壁面を掘って中に観音様が祀ってあります。暗くて、正直怖い…。周辺ではこのように岩場を掘って作った仏像の類が随所に見られました。
これは別の場所。
”ナホトカ号重油流出事故”の碑
途中こんなものを発見。ナホトカ号重油流出事故の碑です。
”ナホトカ号重油流出事故”とは、1997年に島根県隠岐島沖でロシアのタンカー、ナホトカ号が大破、その際に積んでいた大量(約19000キロリットル)の重油が流出した事故です。重油は海水よりも軽いため海面の表面に広がり、事故が起こった隠岐島沖だけでなく、ここ越前海岸から北陸、東北地方まで広範囲に渡って重油によって汚染されました。
この海岸も重油で真っ黒になり、その異臭で回復が危ぶまれましたが、全国から集まったボランティアの方々の尽力によって美しい環境が蘇ったということです。
海岸や海の汚染だけでなくそこに住む海鳥たちも多く犠牲になりました。昔見た、油まみれになった海鳥の写真は強く印象に残っています。
現在の海岸の姿です。
二の浜の波食棚と海食台
もう少し歩いたところ、この周辺を”二の浜”と言うそうです。このあたりの浜は今まで見てきた東尋坊なんかとはまた違った印象ですね。浅瀬に大きめの岩がぽつぽつと点在してます。
この浅瀬は波食棚と呼ばれる地形になっているそうです。もともと陸地であったところが波のしぶきによって湿潤したり、太陽光によって乾燥したりを繰り返すことで脆くなり、そこに波が打ち付けて浸食されることで形成される地形です。
一方で海面より下には海食台と呼ばれる地形ができているそうです。波食棚で砕けた固い礫が波によって移動する際に海底が削られて形成される平らな地形です。
もともとこの海岸は大昔(新生代第三紀中新世、私には分からない)の火山活動によって生じた礫や火山灰が、それぞれ入り混じった状態で堆積し、形成されたそうです。火山灰の部分は柔らかい岩質のため浸食されやすく、固い礫は残りました。その結果このように浅瀬に大きな岩が点々としているような風景が形成されたのです。
潮位が下がったときには礫に阻まれた海水が波食棚に取り残されてタイドプールという水たまりができるようです。磯や干潟のようなイメージで多様な生物の住処となっています。
…それに絡めて言及しておきますと、フナ虫がめちゃくちゃたくさんいます。しかもでかい。
正直、苦手な人は耐えられないレベルです。歩道を歩いているともう足の踏み場もないくらいに湧き出してきます。大げさでなく、かなり踏んでます。ご注意ください。
海が豊かな証拠なんですよ! たぶん。
崎の溶結凝灰岩
もう少し歩いたところ、このあたりの地名は崎と言うそうです。また海岸の様子が変わってきました。
ややピンク色がかった岩場です。溶結凝灰岩というそうです。
通常の凝灰岩は火山灰が固まってできた堆積岩で、岩石としては柔らかい部類に入ります。一方で溶結凝灰岩は主な材料は同じく火山灰なのですが、堆積物のものすごい熱と重さによって溶結(溶融して圧縮されること)していることが大きな違いで、固く、波によって浸食されにくい岩石になっています。また、冷やされる際に収縮が起こり、節理が形成されます。また出ましたね!
以上、雄島~越前松島、道中の地形をご紹介しました。
旅は続きます。
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